数学オリンピックの受賞者数の男女比から考える女性の生き方

こんにちは。メディカルライター&医師のYukaです。

年に1回行われている日本数学オリンピックですが、受賞者約20人中、女子は多くても1人。この時代において、驚きの男女差ではないですか?今日は数学オリンピックの結果から考えた女性の生き方について書きたいと思います。

昔から、男の子は算数が得意で女の子は算数が苦手というイメージがありますが、実際には男女で脳に差があるわけではなく、周囲の態度や本人の思い込みの影響が大きいようです(The Myth of the Male Math Brain)。

そう考えると、数学オリンピック受賞者数の男女差は、そもそもの参加者数の違いと考えることもできそうです。実際、受賞者の大部分が特定の男子校の生徒であり、数学オリンピックに参加することへの心理的ハードルに男女差がありそうです。過去に参加して受賞した先輩がいる、周りに同じ目標を持っている仲間がいるのであれば、「参加するのは普通のこと」「自分も受賞できる可能性がある」と思い、挑戦してみようとします。逆に周りにロールモデルとなるような人がいなければ、自分には無関係のことに感じられて、参加しようとすら思わないかもしれません。

またこれは予想ですが、中高生の時点から、女子の方が「何でもそつなくこなす」ことを周囲に求められることも影響しているかもしれません。たくさんのことにエネルギーを分散しなければいけない状態では、(将来的にどんなメリットがあるかわからない)数学オリンピックのためにほかのことを犠牲にするリスクを取ろうとは思えないのかもしれません。

女性の活躍が少ない場への対策として、女性優先枠によって前例を作っていく試みがあります。数学オリンピックについても、高校生の女子のみを対象とするヨーロッパ女子数学オリンピックが2012年から行われています。また、女性研究者を育てるために女性研究者を優先する奨学金制度も増えているようです。このように周囲が「あなたにもできる」というメッセージを女性に送り続けることはとても大事だと思います。

そして何よりも大事なのは、人生の全方面でうまくやっていくことを女性に求めないことではないでしょうか。ただ活躍の場を設けただけでは、女性の負担が増えていくばかりです。娘世代には、私たち世代に求められた「仕事と家庭の両立」ではなく、やりたいことを見つけてそれに集中することが許される社会であってほしいと願っています。

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