複数人でひとつの文章を仕上げていくときに気をつけていること

こんにちは。メディカルライターのYukaです。

メディカルライティングの仕事では、ひとつの論文を完成させるために多くの工程が必要になります。まずライターである私が初稿を作成し、それをクライアントがレビュー、そのフィードバックをもとに修正を加えて、クライアントが再度レビューする、という流れを何度か繰り返しながら進めていきます。

このように複数人でひとつの文章を仕上げていく場合には、誰がどこを修正したのかを把握しながら作業を進めることがとても大切です。今回は、Microsoft Wordを使って効率よく作業を進めるために、私が日頃から気をつけているポイントを紹介します。

修正前に元ファイルのコピーを作成する

クライアントからレビュー済みのファイルが返ってきたら、すぐに修正作業を開始したくなるところですが、まずは元のファイルはそのまま保存し、コピーを作成するようにしてます。コピーしたファイルに新たに日付やバージョンをつけてから作業を開始すると、後から見直したときにわかりやすくなります。

レビュー後のファイルに直接修正を加えてしまうと、元の内容を参照したくなった場合に、共有フォルダから再度ダウンロードする手間が発生します。また、万が一ソフトウェアのトラブルでレイアウトが崩れるなどのトラブルがあった場合にも、元のファイルが残っていれば安心です。

変更履歴の扱いについて事前に確認する

複数人で作業を進める場合には、通常は「変更履歴の記録」をオンにした状態で作業します。ただ、何度もレビューが繰り返されると、履歴が増えて読みづらくなることがあります。

そうした場合には、それまでの変更履歴を一旦すべて反映(承諾)してもよいかをクライアントに確認するようにしています。修正開始前に変更履歴がない状態にリセットできると、今回の修正内容のみが変更履歴として残るようになり、わかりやすくなります。

コメントには必ず対応する

コメントを確認する際に、Wordの「コメントの表示」を「コンテキスト合字」から「リスト」に変更すると、見落としを防ぐことができます。

基本的には、すべてのコメントに対して返信しますが、コメントが多い場合は、指示をそのまま反映した場合は「いいね」ボタンで対応しています。コメントの指示に従わなかった場合は、そのように判断した理由をコメントの返信の中で説明するようにしています。

また、自分が新たに加えた修正の中で、クライアントに必ず確認してもらいたい部分にもコメントを残すようにしています。コメントは自分用のメモにもなり、後から見直した際に根拠がわかりやすくなります。

フォルダを整理する

私は案件ごとにフォルダを作成し、フォルダ名には受注年、クライアント名、内容などを記載しています。案件フォルダの中に工程ごとのフォルダを作り、フォルダ名には日付、作業内容を記載しています。

各工程で最終的に提出したファイルをこのフォルダに保存しておくことで、どのタイミングでその修正が入ったのか知りたいときや、削除されてしまったコメントを確認したいときに確認しやすくなります。

MacでWordを使っている場合は、ファイルにタグをつけられる機能があるので、作業中のファイル(本文、図、表など)やよく参照する資料(プロトコル、SAPなど)に色別のタグをつけておくと、目的のファイルをすぐに見つけることができて便利です。共有フォルダにアップロードする際に、誤ったファイルを選んでしまうリスクも減らせます。

まとめ

複数人でのひとつの文章を仕上げていく場合、工程が進むにつれて修正箇所やコメントが増えていき、次に何をすればよいのかがわかりにくくなりがちです。効率的に作業を進めるためには、変更履歴やコメントの機能をうまく活用し、クライアントからの指示を見落とさずに対応すること、自分の修正内容をクライアントにわかりやすく伝えようとする姿勢が大切だと感じています。

Next
Next

アメリカから帰国して始めたこと、やめたこと