海外から帰国したあとに感じる喪失感

こんにちは。

今日は4年半のアメリカ生活を終えて帰国し、2週間日本で暮らしてみた心境を記録したいと思います。

アメリカに渡航したときは何もかもが初めての状況だったので、緊張感や新生活に早く適応したいという思いが強く、いろいろな変化を前向きに捉えていたような気がします。

今回は以前に暮らしていたおなじみの環境に戻ったので、緊張感よりも安心感があるのですが、一方でもやもやとした思いもあります。

この4年半はいったい何だったんだろう?私は何をしていたんだろう?

アメリカにいる時に必死で身につけた知識や習慣が日本では役に立たない。

日本にいた時の自分の価値観が思い出せない。

日本を去る時に捨てたもの(アメリカで捨ててきたもの)をもう一度買うことがむなしい。

「帰国」というゴールを越えてしまったことで、先が見えない。

在英国日本人大使館のウェブサイトの「海外在住が及ぼす精神的な影響」という記事の中では、変化に伴う「喪失」が精神に及ぼす影響について書かれています。

経験や思い出は形に残らないものだとはわかっているものの、アメリカに行ったことに果たしてどんな意味があったのだろうか、日本での生活を捨てて、あえて苦労する必要があったのか、とふと考えてしまいます。海外での経験は、日本に戻ったあと、少なくともすぐには活かすことができません。たとえば英語を使って勉強してきた子どもたちは、漢字を覚え、日本の教科書を理解することに苦労しています。

もし「アメリカ留学体験記」を書けと言われたら、楽しかった思い出や経験をたくさんあげることはできるでしょう。ただ、日本からアメリカへ、アメリカから日本へ移動することによって生じた2度の「喪失」に対する思いは、他の人にうまく説明できないし、わかってもらうことも難しいと感じています。

日本での生活が落ち着き、自分の立ち位置を確立することができれば、また気持ちも変わってくるかもしれません(そうであってほしいです)。前述した記事に書いてあるように、「失ったことを認め」「過剰な期待を自分に課さず」「自分が何を求めているかを感じる」よう心がけていこうと思います。

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