医学雑誌にアクセプトされる論文を最速で書く方法1—下準備

こんにちは。アメリカ生活4年目のメディカルライター、メディカル翻訳者のYukaです。

医学雑誌に投稿する論文を執筆してアクセプトされるまでの手順の中で、私が時間短縮に大事だと考えるポイントを、何回かに分けて書いていきたいと思います。

現在私自身はメディカルライターとして著者の依頼を受けて執筆していますが、論文を書くすべてに人に何かしら参考になる内容をお伝えできればと思っています。

1回目は、論文を書き始める前の準備段階です。ここでしっかり下調べをしておくことで、あとで余分な手間がかからないようにすることができます。

まず確認するのは以下の3点です。

・研究の倫理的側面

・投稿先雑誌

・著者

研究は倫理的に行われていますか?

学会発表レベルではそこまで厳しく問われることはないですが、論文投稿時には「その研究が施設(病院)内の倫理審査を通っているか」「人を対象とする研究では同意説明文書に署名をもらっているか」が問題になります。

投稿先によっては詳しい資料や申請番号などの提出が求められる場合もあるので、これから書く予定の論文の内容が倫理的な条件をクリアしているか必ず確認してください。

後ろ向き・前向きに限らず、すべての研究は「開始前に」計画書を作成し施設(病院)内で許可を得る、というのが研究の基本です。

国内の施設(病院)であれば、研究計画書は日本語で書くことが多いと思いますが、しっかりした計画書が用意されていれば、論文のIntroductionとMethodsはそれを英訳するだけですみます。

まず投稿先雑誌のオーサーガイドラインを確認する

現在はほとんどの雑誌がオンライン投稿になっており、雑誌のウェブサイトには投稿規定であるAuthor guidelines/Guidelines for authorsが用意されています。ここに投稿時のきまりが非常に細かく記載されているので、書き始める前に投稿先を決めて、このガイドラインを熟読するのがおすすめです。

受け入れる論文の種類、最大ワード数、図表の数の制限、本文や抄録の構成のルール、引用文献の整備方法などが記載されています。

著者とその順番を決める

だれを共著者にするか、その記載順が重要になります。共著者の中には自分がどこに位置づけされるかを非常に気にする人もいます。判断がつかない場合は代表著者(コレスポンディングオーサー)に決めてもらうと安心です。

論文のオンライン投稿時に、全員のメールアドレスや名前・所属先の正しい英文表記が必要になります。また、COIに関する書類を著者全員が提出するケースもあります(最近はICMJE形式を指定する雑誌も多いようです)。論文のドラフトを見てもらうのと同時に、それらの書類の記載もお願いすると時間が短縮できます。

次回は、引用文献の管理について書きます。

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