ライティングやメディカル翻訳のスキルアップにおすすめの教材:Essential Skills Certificate

アメリカ生活4年目のYukaです。

今日は、最近修了したアメリカメディカルライター協会(AMWA)のEssential Skills Certificateプログラムを紹介したいと思います。

プログラムの構成について

このプログラムは、メディカルライティングで特に大切な分野をカバーする、7冊のテキストブックと確認テストから構成されています。

受講者は自分のペースで学習し、購入から2年以内に各テキストの最後にある確認テストで85%以上を取った場合に、修了証書(certificate)をもらうことができます。1回目のテストに不合格の場合には無料で2回目が受けられますが、3回目が必要になった場合には追加料金がかかるようです。

このプログラムが向いていると思われる人

これまでに医学論文を読んだり書いたりした経験があり、メディカルライティングや翻訳(日英)をしている人。

メディカルライティングで必要とされる「読む人に誤解を与えない、分かりやすい英語表現」を学ぶことが、このプログラムの主な目的です。

基本的には英語ネイティブのライターを対象とする内容ではありますが、非ネイティブでも学ぶところは大きいです。とはいえ、初心者向けではなく、ある程度ライティングの経験がある人、英文の質を高めたい人に向いていると思います。

価格と購入方法(割引期間がお得)

米国内ではデジタルバージョンと印刷されたテキストのどちらかから選ぶことができますが、米国外から受講する場合はデジタル書籍のみとなります。

デジタル書籍の一般価格は(2022年4月現在)1,235ドル、会員価格は850ドルです。AMWAの年会費が(2022年4月現在)199ドルなので、プログラムの受講を決めたら、まず会員になることをおすすめします。(これまでの様子では、年に2回の割引期間があるので、それを待って購入するとさらにお得です。私もその時期に購入しました。)

また、修了証書は得られませんが、それぞれのテキストを個別に購入することもできます。問い合わせれば、テキストの内容のサンプルをもらうこともできます。

メディカルライティングに必要な7つの分野

次のような7つの分野のテキストブックがあります。

Basic Grammar and Usage 文法

Elements of Medical Terminology 医学用語

Essential Ethics for Medical Communicators 行動規範

Punctuation for Clarity and Style 句読法

Sentence Structure and Patterns 英文の構造

Statistics for Medical Writers and Editors 統計

Tables and Graphs 図表

私が特におすすめだと思ったのは、PunctuationとSentence Structureです。Sentence structureで学んだmodifiersについては、別の記事にしています(misplaced modifiers)。

これらは、メディカルライティングだけではなく英文ライティング全般に共通する内容で、アメリカでは作文教育の一環として教えられるようです。

このEssential Skillsは、網羅的というよりは、メディカルライティングに特に大事なポイントに焦点を合わせているため、途中で脱落せず最後まで読み進めることができました。

ライティングに関する市販の書籍でもおそらく同様の内容はカバーされていると思いますが、Essential Skillsには例文、間違い例、練習問題があり、より分かりやすい内容になっていると思いました。

修了後の感想(一回では身につかない)

プログラム自体は修了しましたが、一回で身につく内容ではないので、これからも何か分からないことがあった時に参照したり、定期的に見直したいと思います。

このプログラムを通じて分かったことは、雑誌に掲載されている論文であっても、そこに使われている表現が必ずしも正しいとは限らないということです。英文に触れる機会を増やすことは大切ですが、目にする表現を鵜呑みにせず、良い表現を探す努力を怠らないようにしたいと思いました。

お読みいただきありがとうございました。

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