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翻訳で一番大切なのは原文理解力

こんにちは。アメリカ生活4年目、メディカルライターと翻訳者をしているYukaです。

今日は、メディカル分野で日英、英日の両方向への翻訳を経験してわかった、翻訳において原文を理解することの大切さについて書きたいと思います。

原文の理解というと、たとえば英語の場合、英文解釈のことだと思われるかもしれません。正しく英文解釈ができる力はもちろん必要ですが、メディカル分野では、英語ができるだけでは適切に翻訳できないケースがあります。

というのは、原文が文法的に正しくなかったり、論理が成り立っていないことが、わりとよくあるからです。

原文を読んでもすぐに理解できず、関連するウェブサイトや文献を読むことで、ようやく著者の伝えたいことがわかる場合があります。

結局は書いた本人に確認しないとわからないのですが、それをできるだけ想像するのが、原文を理解する作業だと思っています。

翻訳というのは、自分が理解した内容を別の言語に置き換える作業です。つまり、原文を文字通り訳すのではなく、「著者のメッセージ」を理解した上で、それを別の言語で表現することです。

そうはいっても、翻訳会社との仕事では、著者に確認をとることはほぼできないので、大胆に原文から外れた訳を納めることはできません。

たとえば、このwhichはどこにかかりますか?と確認したくてもできないのです。

そこで、原文をそのまま訳すと意味が通らない場合は、裏付けを取った上で違和感のない程度に解釈を反映させて訳したり、原文が明らかに間違っている場合はコメントなどで対応することになります。この辺りの匙加減は、翻訳者ごとにかなり違いそうです。

翻訳を始めた頃は、「原文はいつでも正しい」と思い込んでいたのですが、いまは「原文が間違っていることもある」と思いながら訳しています。そう思っているほうが、著者のメッセージを伝えることに集中できる気がします。

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