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メディカルライターの単価

こんにちは。

あるメディカルライターさんが、その方のお仕事では「最終納品物のページ数で単価が決まる」とぼやいていらっしゃいました。最初に頑張ってたくさん書いても、クライアントが途中で削ってしまった場合には、削られた分は支払われないということです。そんなことが繰り返されたら、やる気がそがれるだろうなと思いました。

そこで、私がこれまでに経験したメディカルライターの単価の設定方法と、個人的にはどの方法が気に入っているか書きたいと思います。

メディカルライティングの単価にはいろいろな設定方法がある

まずは、プロジェクト全体でいくら、と設定される場合があります。それぞれの案件で若干の違いはあるのですが、アウトライン作成、初稿、第2稿、第3稿までの過程全体に対して単価が設定されます。

次に、もう少し細かく設定される場合があります。スライド1枚あたりいくら、図表1点あたりいくらというようなイメージです。私の場合は、最初に書いたライターさんのように最終稿の枚数で決まるのではなく、初稿または最終稿のどちらか多い方のスライド数、図表数で支払われることが多いです。

最後に、追加作業が発生した場合ですが、作業に対する単価をあらかじめ提示される場合と、後から作業にかかった時間を申告してそれに応じて支払われる場合があります。最初に決められた工程もざっくりしたものなので、ベテランのプロジェクトマネージャーさんが、追加作業にあたるかどうかをうまく線引きしてくださっています。

原文の単語数や文字数でお支払いが機械的に決まる翻訳と比べると、だいぶ大雑把だと感じられるかもしれません。メディカルライティングの場合、クライアントが求めるレベルやレビューの濃さによって、同じお支払いのプロジェクトであっても作業の大変さはかなり違ってきます。まったく同じクライアントのプロジェクトはそこまで多くないので、始めてみないと大変かどうかがわからない、という賭けのようなところもあります。

それでも、プロジェクト単位でのお支払い方法の方が私は気に入っています。というのは、枚数でお支払いが決まる場合、はじめに多くしすぎると枚数かせぎだと思われるのではないかと心配したり、少なすぎると結局後から追加することになるのではないかと思ったり、プロジェクト単位の時にはない微妙な葛藤が生まれるからです。

分量が多いとお支払いが増える?

最近はあまり聞かないですが、原文ではなく訳文の文字数や単語数で翻訳のお支払いが決まっていた時代には、分量をかせぎたい翻訳者によって複雑な言い回しが使われるようになった、と聞いたことがあります。一定量を書かないといけないエッセイの課題で、単語(文字)数をかせぎたい学生が不要な表現を盛り込むのと似ていますね。

Plain Language推進派の私としては、文章は短いほどいい、データは厳選されているほどいい、という考えなので、量と支払いが比例するというのはあまり好きな方法ではありません。

クライアントの要求は高まっていくもの

少し話はずれますが、私がメディカルライティングを始めてからのこの数年の間だけでも、クライアントの品質に対する要求レベルが高まっているような気がしています。以前は、まず全体像を構築して完成に向けて徐々に整えていくという、どちらかというとのんびりしたイメージでしたが、最近は初稿の段階からきちんとしたものを納めなければという雰囲気が感じられます。

クライアントレビューで初稿の内容が大きく変わることもあるので、最初はそこまで完璧を目指す必要はないのではと思ってしまうのですが、それだけクライアントの要求レベルが高まっているのかもしれません。「商品に対する顧客の要求レベルは一定ではなく、つねに上へ、上へと変化していきます。」ということのようです(顧客のニーズに沿った品質の商品を提供し続けよう)。メディカルライターにかかる負荷も今後大きくなっていくと思われます。

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