フリーランス翻訳者になるために準備しておきたい7つのこと(前半)
こんにちは。アメリカ生活4年目のYukaです。
今日は、私がフリーランスの翻訳者になるまでを振り返り、どのような準備が必要だったか、簡単にまとめたいと思います。
(日本の翻訳会社と海外の翻訳会社の両方の場合を想定して書いています。)
翻訳者になるための詳しい方法を知りたい方は、アメリカ在住翻訳者のランサムはなさんのYouTubeチャンネルや、渡邉ユカリさんの翻訳者スタートガイドが役立つので、ぜひ参考になさってください。このお二人の実践的なアドバイスには、私自身何度も助けられました。
以下には、私が自分の経験から大事だと思ったことを、その理由とともに書いていきます。
1. 働きたい翻訳会社をブックマークしておく
理由
・登録の条件を知っておくことで、その対策ができるから
海外の場合、翻訳会社からのメールや知人の紹介で契約につながることも多いですが、日本では翻訳自身が翻訳会社に応募することがほとんどだと思います。
小規模の翻訳会社はベテランの翻訳者で回っていることが多く、経験の少ない翻訳者が国内で仕事を得る場合、大手の翻訳会社の方が採用されやすいのではないかと思っています。
まずは「自分の専門分野+翻訳」で検索して、見つかった翻訳会社のウェブサイトを片端から調べていきます。翻訳者の集要項以外に、クライアント用(翻訳を依頼する側)のページも見ることで、それぞれの翻訳会社の料金設定を知ることもできます。料金が安い場合は翻訳者に支払われる料金も安く、納期が短い場合は翻訳者に与えられる時間も短いということになります。
海外の会社の場合はproz.comの会員であれば見られるBlue Boardで評判を調べると安心です。
今すぐ登録するつもりがなくても、どういった経験が必要なのか、どのような書類をそろえる必要があるのか、応募用紙の記載事項は何かを知っておくと、後で役に立ちます。
2. 希望の単価と一日に受注可能な量を決める
理由
・翻訳会社への応募時・登録時に必ず聞かれるから
・自分の働き方を考えるきっかけになるから
翻訳会社によって多少違いますが、よく聞かれるのは、仕事内容(翻訳またはチェック)、単価(英日では原文1ワードあたり、日英では原文1文字あたり)、時給、翻訳量が少ない時に適用される最小単価、一日に受注可能な量です。
日本だと、翻訳またはチェックで募集も別になっていることが多いです。海外の場合、チェックにあたる表現にはtranslation checkingに加えて、proofreadingやeditingなどがあり、仕事の内容が会社によって違うようです。分からない場合はどのような仕事内容かあらかじめ確認したほうがよいです。
翻訳者同士が単価について公の場で話し合ってはいけないという決まりがあるそうですが、Twitterや翻訳者さんのウェブサイトを見ると、だいたいどのような感じか、理想と現実を知ることができます。残念ながら翻訳単価は年々下がっているようです。
私の経験では、日本で提示される単価は海外の単価より低いです。円安でその差はさらに開いています。ただ、日本の翻訳会社のほうが安心感がありはたらきやすいので、単価だけでどちらがいいとは言えない面もあります。
時給について、私自身は「時給では働いていない」と伝えることにしています。時給の契約では、頑張っても自分の得にならないからです。
フリーランスでは、年収の目標から月当たりの収入→一日当たりの収入→時給を計算することが重要と言われています。ただこの時給は頭の中にとどめておくほうがよく、「時給で契約する」ことはフリーランスの理想的な働き方ではない気がしています。
海外では最小単価について聞かれることが多いですが、日本で聞かれたことはありません。時給と同じか、それより低めの金額を伝えるようにしています。
一日に処理できる量は、その人の翻訳速度や翻訳にかけられる時間に加えて、対象となるファイルの内容にもよって変わるので、答えるのが難しいところです。伝える必要がある場合には、最速で最大時間翻訳した場合を想定し、だいたいの数字を答えることにしています。産業翻訳では、英日では2000ワード、日英では4000文字以上あればよいようです。
3. 自分が翻訳者であることを世の中に知らせる
理由
・将来の仕事につながるから
・同業の知り合いが増えるから
LinkedInやproz.comのアカウントを作り、自分のウェブサイトを用意し、翻訳関係の協会に所属して名簿に名前を載せることで、自分が翻訳者であることを世の中に知らせることができます。いわゆるマーケティングです。
アカウントやウェブサイトを作ればすぐに仕事がくる、というわけではありませんが、将来の仕事や出会いのきっかけになるものなので、名刺がわりに早めに用意しておくとよいと思います。
翻訳関連の協会に入るには年会費がかかりますが、協会のイベントに参加することで、翻訳者や翻訳会社の知り合いを増やすことができます。逆に、イベントに参加しないのであれば、年会費を払う価値はないかもしれません。
翻訳者に限らず、フリーランス一般の心構えを知るには、海外のYouTuberの意見が参考になります。日本で働く場合には該当しない内容もありますが、私が働き方を考える上で役に立ったYouTubeチャンネルをいくつかあげておきます。
ソーシャルメディアマーケターのLatasha Jamesさん
ウェブデザイナーのRan Segallさん
コピーライターのSarah Turnerさん
長くなったので、続きは後半として別の記事に書いていきます。