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海外から帰国、個人事業主になって初めての青色申告までの道のり

こんにちは。メディカルライター&内科医のYukaです。

昨年夏にアメリカから帰国し、9月にライターとして開業届を提出して個人事業主になりました。令和5年分の確定申告で初めての青色申告をするのですが、あとは配偶者の収入を入力すれば提出できるところまで準備できました。

そこで今日は、帰国後に青色申告に向けて準備したことをまとめたいと思います。

役所・税務署への届け出

(1)マイナンバーカードの発行申請

すでにマイナンバーカードを持っている方でも、海外転出届を提出すると、マイナンバーカードが無効になります。私はもともとマイナンバー通知カードしか持っていなかったので、帰国後にマイナンバーカードの発行を申請しました。通知カードの番号を使い、駅構内の証明写真ボックスから申請しました。申請からだいたい5〜6週間後に役所で受け取ることができました。

帰国後、役所に転入届を出すのと同時にマイナンバーカードの発行も申請しておけば、もう少し早めに入手できたのかもしれません。

(2)適格請求書発行事業者の登録申請

去年の10月からインボイス制度が始まり、どうするか悩んでいたのですが、現在は企業との取り引きが中心ということもあり、キリのいいタイミングで今年の1月から適格請求書発行事業者になりました。

税務署に書類を提出する場合、e-Taxを使えば記録が残ります。もし紙で提出する場合は、受理された記録が残るように、郵送ではなく、面倒でも税務署まで直接出向くのがおすすめです。

(3)簡易課税制度選択届出書の提出

適格請求書発行事業者の登録申請をすると同時に簡易課税制度選択届出書も提出しました。これまでは免税事業者で、適格請求書発行事業者になることで強制的に課税事業者になってしまった人の場合は、手続きをしなければ納税時に「2割特例(最大4回まで、課税売上高が1,000万円以下)」か「本則課税」を選ぶことになります。(似たような名前ですが、消費税課税事業者選択届出書ではないのでご注意ください!消費税課税事業者選択届出書を提出すると2割特例が使えなくなるそうです。)

本則課税を選択すると、インボイスの保存や消費税の計算など面倒な手続きが増えるので、それを避けたい人は簡易課税制度選択届出書を提出する方がよいようです。簡易課税制度選択届出書を提出しても、条件が合えば2割特例を選択することはできるので、課税売上高が1,000万円を超える可能性がある場合は提出していた方が安心です。

確定申告に向けたシステムづくり

(1)会計ソフト導入

クラウド会計ソフトにはいくつか有名なものがありますが、YouTubeやウェブ記事などでそれらの違いを大まかに知ることができます。私はマネーフォーワードクラウドを1か月無料で使ってから、年間契約をしました。

個人事業主が青色申告をする場合に、一番重要なポイントは「仕訳」です。仕訳は、お金やものの出入りを会計用語に置き換える作業のことです。マネーフォーワードクラウドは経験者向けという意見もありましたが、私のように会計や簿記についての知識がゼロの人でも、そこまで困ることはありませんでした。会計初心者としては、自動化を利用せずに、「仕訳帳入力」モードで手入力しながら学べるところが気に入っています。また、ブルーで統一されたユーザーインターフェイスも使いやすいです。

(2)e-Taxやマイナポータルのアカウント作成

e-Taxやマイナポータルは、基本的にはマイナンバーカードがないとアカウントを作れないので、マイナンバーカードが手元にない人はまずそちらを申請する必要があります。

私はパソコンはMacBook、ウェブブラウザはChromeを使うことが多いのですが、パソコンでe-Taxやマイナポータルを使う場合には、Safariを使ったり、スマートフォンからマイナンバーカードを読み取ったり、作業工程が多くて面倒です。

確定申告に向けてICカードリーダライタを購入したのですが、パソコンでSafariを使っていると途中で進まなくなってしまうことがあり、結局はスマートフォンを使わなければいけないことも多いです。Appleユーザーの場合は、税金関連の作業は、パソコンではなく携帯で行うほうが楽なのかもしれません。

税金について勉強する

(1)税理士の先生のYouTube動画を見る

私が税金の仕組みを勉強する上で一番わかりやすいと感じたのは、税理士の先生のYouTube動画です。中には節税や税務調査の話などセンセーショナルな話題ばかり取り上げている先生もいますが、税金のシステムについて中立的な立場で正しい情報を発信されている先生もいます。

(2)税理士の先生のオンラインサロン入会

こちらは以前の記事にも書きましたが、昨年税理士の先生のオンラインサロンに入会しました。税金に関する疑問や悩みを解決したいときに相談できる場所になっています。

(3)会計ソフトのウェブ記事を読む

会計ソフトのウェブサイトには、多くの人が悩みそうな内容や、具体的な仕訳方法まで、さまざまなことがカバーされています。わからないことをウェブサイト上で都度調べていく方が、本で一から勉強するよりも役立ちました。

ビジネスとプライベートのお金を分ける

(1)ビジネス口座とビジネスカードを作る

事業に関する支払いはビジネス口座で受け取り、経費はビジネス口座に紐付けられたビジネスカードから払うようにすると、会計手続きが楽になります。

ビジネス口座とビジネスカードがあっても、個人口座や個人カードで事業に関する出入金があった場合は、仕訳でうまく処理することができます。

仕訳のルールを決める

(1)家事按分のルールを決める

仕事とプライベートの両方で使うものは「家事按分」という手続きで、かかった費用の一部を経費にすることができます。何%を経費にするかは自分で決めることができるのですが、その根拠を明らかにするとともに、一度決めたルールを基本的にずっと守り続ける必要があるようです。たとえば、時間で配分すると決めた場合、自宅で週に42時間(1日平均6時間)働いている場合、ホームオフィスに関係するものの経費は費用全体の25%にすることができます。

会計ソフトを使っていれば、年度末には、事前に設定した家事按分の方法を使って自動的に経費を計算することができます。

(2)仕訳をテンプレ化する

仕訳に使われる用語はなじみがなく、わかりにくいものが多いです。そこで、私のような会計初心者におすすめしたいのは、自分の事業でよく発生するお金やもののやり取りの仕訳の方法を、調べてどこかに書いておくことです。

クライアントワークが中心の個人事業主であれば、「クレジットカードで買い物」「納品」「支払い」「会費」といった場合の仕訳の方法について、会計ソフトのウェブサイトなどで調べておきます。会計ソフトを使えば、前回と同じ仕訳をコピーしてアレンジすることもできるので、最初は大変ですが、だんだん楽になっていくと思います。

(3)仕訳のタイミングを決める

クレジットカードの引き落としやクライアントからの支払い振り込みなど、いろいろなタイミングでお金の出入りが発生しますが、自分でタイミングを決めて、数か月に1回は会計ソフトに入力しておくのがおすすめです。私の場合は、月末に振り込みがあることが多いので、必要な書類をパソコンにダウンロードしておいて、毎月頭に仕訳をするようにしています。

今日は、私が昨年新たに個人事業主になってから、青色申告に向けて準備したことについてまとめました。参考になりましたら幸いです。

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