ChatGPTを使って感じる「偏った意見」の魅力
こんにちは。メディカルライター&医師のYukaです。
世の中からはかなり遅れてしまいましたが、先日ようやくChatGPTを使ってみました。2023年10月現在、無料版はGPT-3.5で、2022年までの情報をもとに回答しているようです。
関心のあることを次々に質問してみました。どんな質問にもそれなりに答えてくれるのはおもしろいのですが、ChatGPTの回答はどれもあまり心に響かず、結局どうしたらよいかわからないものも多かったです。当たり前ですが、ChatGPTには強い主張がないからです。
人が何かを読む時、その文章からにじみ出る著者らしさや著者自身の意見を同時に読み取っているのではないでしょうか。たとえば何かを比較検討する場合でも、人間が書いた文章では、それぞれのメリット・デメリットをあげた上で、「私はこちらが好みです」「こちらがおすすめです」と書いてあることが多いです。そう言ってもらうことで安心したり、逆に疑問を持ち考えるきっかけになったりするものです。ChatGPTの書いたものは、メリット・デメリットをあげるところで終わってしまうので、読んだ後になんだか物足りない気持ちになります。
私はこれまで、世の中にはいろいろな考えの人がいるので、あまり極端な意見は言わないようにしようと心がけていました。ところが、今回ChatGPTを使ってみたことで、考えが変わりました。偏っているのが人間らしく、その方がおもしろく感じられるのです。事実を淡々と並べるだけならAIでもできる。実際、網羅的に物事を列挙することについては、ChatGPTは人間よりも優秀かもしれません。人間のライターがAIとの差別化を図るためには、「独断と偏見に基づいた意見」や「自分だけの経験」を書いていくことが必要だと思いました。
またコンサルタントや士業など、状況を判断した上でアドバイスしたり方針を決めたりする職業は、今後も必要とされるだろうと感じました。人は何かを決定することを不安に思い、専門家の意見を聴いたり、できればその人に決めてほしいと思うものです。AIが人と同じレベルで信頼される未来が来るまでは、そういった職業がなくなることはないだろうと感じました。
AIのせいでいつか仕事がなくなるかもしれないと不安になるのではなく、AIの現状を理解し、人間に求められるものは何か、自分はどのようなサービスを提供できるのかを考え続ける必要がありそうです。