ATAの必見オンラインセミナー
こんにちは。アメリカ生活3年目のYukaです。
今日は、アメリカにある翻訳者のための協会であるATAのオンラインセミナーを視聴した感想を書きたいと思います。
米国翻訳者協会(American Translators Association, ATA)
ATAは、加入して年会費を払うとメンバーになることができます。さらにATA主催の試験に合格すると、認定資格を持ったATA certifiedの翻訳者になることができます。メンバーとしての年会費だけで年間200ドル以上かかるのですが、会員名簿に名前が載ることでクライアントや翻訳会社の目にとまりやすくなることがメリットと言われています。
ATAのウェビナーを見ることで年会費の元が取れる
今回、Back to Business Basics Webinar Seriesという、メンバーであれば無料、メンバー以外は25ドルが必要なウェビナーシリーズをいくつか試聴しました。普段から気になっていることや今後の目標を考える非常にいい機会になりました。日本の翻訳関連のウェビナーが通常5,000円以上することを考えると、録画されたものを自分の都合の良い時に何度も見直せるのはお得だと思いました。
翻訳はビジネス
日本の翻訳関連のセミナーは、翻訳の仕方そのものに焦点を合わせたものが多い印象があります。一方、このBack to Business Basics Webinar Seriesでは、フリーランスの心得やビジネスに必要なマインドセットなど、翻訳者がどのように仕事をしていくかということをテーマにしたものになっています。
日本では「翻訳力を高めること」に重点が置かれていて、「いい翻訳ができれば自然と仕事が手に入ってお金も稼げる」というような思い込みがある気がします。
一方Back to Business Basics Webinar Seriesでは「必要なお金を手に入れるための仕事の獲得法」を身につけることの大切さが強調されています。もちろんお金が全てという訳ではなく、特に始めたばかりであったり新たな分野を開拓したりする場合には、希望よりも安い単価の仕事を自己研鑽のために引き受けることもあると思います。それでも、仕事=生活のためのお金をかせぐ手段という姿勢を全面に打ち出しているところが、実用的で好感を持ちました。
翻訳者としての価値
翻訳者は翻訳の質に見合った対価を得る、クライアントや翻訳会社は払ったお金に見合った翻訳を受け取るという、お互いが対等な関係にあることがビジネス本来の姿です。そのためには自分の翻訳の質を高めることだけに集中するのではなく、ビジネスパートナーと十分なコミュニケーションをとり、自分の意思を伝えられるようになることが大切です。終身雇用制を含めて一つのところに長く勤める(上司からどういう評価を受けるかが大事)日本のスタイルと、開拓する(自分を高く評価してくれる場所を探し続ける)アメリカのスタイルの違いを、このセミナーを通じて実感しました。そして、日本人がフリーランスとして仕事をしていくのであれば、これまでのビジネスマインドセットを変えていく必要があるのではないかと思いました。
今日は、翻訳者向けのセミナーをきっかけに、働き方について考えたことを書きました。
お読みいただきありがとうございました。